青森県南部地方に伝わる刺し子技法を菱刺しといいます。今回は菱刺しの網代模様をもとに、模様の呼び方や目数の数え方について綴ります。また、図案の基本の見方についても綴りたいと思います。
スポンサーリンク
呼び方
こちらは菱刺しの「網代」模様の図案になります。
「網代」とは草や木、竹などの植物を編んだもののことをいいますが、このように、菱刺しは動植物から着想を得た模様が多いです。他には梅の花や鱗紋、雉の足、算盤玉、矢羽根、昆布、瓢箪、馬の目などの模様があります。
この菱形の枠のついたものを「型」、もしくは「型コ」と呼びます。
菱形の枠(紫色の部分)のことを「アシガイ」と呼びます。
図案をもとに網代模様を刺したものです。紺の麻布に10本取りの白糸で刺しました。
スポンサーリンク
目数の数え方
網代模様の図案をもとに目数を数えてみたいと思います。
模様のサイズは、アシガイは含めずに、青色の部分の目数を数えます。
横の目を数えると30目あります。縦の段を数えると15段あります。
よって、この網代模様のサイズは30目×15段と表すことができます。
図案の見方
菱刺し初体験の知人から「そもそも図案の見方が分かりにくいのよ。この色のついた部分は布として表現されたものなの?穴として表現されたものなの?」と言われたことがありました。
図案を見慣れ、刺し慣れてくると、当然のものとして捉えていますが、始めて図案を見た時に感じた図案の分かりにくさを思い出しました。そして、改めて図案と向き合ってみたのですが、図案を見てこのように刺す、ということが、慣れなければ分かりにくいように感じられました。
また、図案により、表現のされ方が二通りあるようで、その辺りも分かりにくさを感じる要因なのではないかと思います。
菱刺しは偶数目を拾って刺しますが、今回は2目と4目を例にとってみますね。
<2目>

<4目>
左の図案は、色のついた部分が布でもあり糸でもある、という表現のされ方です。
右の図案は、ますめを布とし、色のついた部分が糸として表現されています。
実際に刺すと、以下のようになります。
<2目>

<4目>
糸の撚りに心を配りながら、布を引っ張らないように、ゆったりと優しく糸を引きます。
刺し始めや糸処理など、具体的な刺し方については、また詳しく書きたいと思います。
まとめ
・菱形の枠のついたものを型、もしくは型コと呼び、菱形の枠のことをアシガイと呼ぶ。
・模様のサイズは、〇〇目×〇〇段と表す。
・菱刺しの図案の見方は少々分かりにくさがある。色のついた部分が布でもあり糸でもある、という表現のされ方をした図案と、ますめを布とし、色のついた部分が糸として表現されている図案とがある。
いかがでしたでしょうか。
言葉で表現することはなかなか難しいものですが、少しでもお伝えできていれば嬉しいです。
お付き合いくださいましてありがとうございました。
スポンサーリンク
スポンサーリンク