南部菱刺しは、青森県の伝統工芸に指定される刺し子技法です。菱刺しと羊毛フェルトを組み合わせて制作した作品のご紹介をしたいと思います。薔薇の写真と共に綴ります。
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模様と使用糸
菱刺しと羊毛フェルトを組み合わせた作品です。
ねこさんは「梅の花」模様を葛染めと紅花染めの刺し子糸で施しました。
うさぎさんは小さな菱の地刺し模様を三種類の藍染め糸で施しました。
ねこさんの胸とうさぎさんのおしりの「梅の花」模様は色違いのお揃いです。
青と茶のオッドアイです。ねこさんとうさぎさん、目の色が反対になっています。
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薔薇の花々
まったく異なる色合いを感じさせる薔薇たちも、実はすべてがおれんじ色を持っているように、ふと感じることがございます。
私なりに薔薇たちに感じることを少し綴ってみたいと思います。
クラウン プリンセス マルガリータ
華やかで香りまでもがおれんじ色のような薔薇です。
雨の日にはおれんじの滴が花びらを滑ります。
けれども、少し茶色も持っている。
誰しもが、そのような秘密を抱えているのかもしれませんね。
マダム ピエール オジェ
雨を受けると、幾重にも重なる花びらの中に水を抱え込んでしまう薔薇です。
誰しもが誰にも言えない想いを抱えて生きているのかな、そのようなことを考えます。
おれんじ色はピンク色と黄色からできるので、緑色の葉に包まれる姿を眺めていますと、母のような優しさや子供のような純粋さを、いつまでも心は求めているのかな、そのようなことを考えます。
ペネロープ
青いお空の下で鮮やかな日を受けた時よりも、雨や曇りのパールグレーを纏った時に淡く繊細な色合いを見せてくれる薔薇です。
夜さり、花びらをとじて眠ります。
天候や時間による光の様子で色合いを変えるペネロープは、朝焼けの空の水色と珊瑚色がまざりあうようなおれんじ色をほんのひと時だけ見せてくれるのです。
長い時間を共にする者にみせてくれる姿、というものを感じさせてくれる薔薇です。
おれんじ色は本当は寒色を秘めていることを知らせてくれます。
だからこそ温かなのだと。
クレア オースチン
雨をうけるとはらはらと花びらをこぼす、美しい姿を心に残したまま散ってゆく薔薇です。
時の流れに抗うことなく、永遠を求めず、散るからこその美を感じさせます。
純白にほんの少しおれんじを混ぜたような白色は、何色にも染まってしまいそうな儚さと、全てを受け入れるような深い心を纏うようです。
誰しもが迷いながら生き方への温かな想いを育んでいることを知らせてくれるようです。
カクテル
カクテルはクレマチスの紫とよく似合います。
芯の黄色から赤色までのグラデーションにおれんじ色を感じます。
たくさんのカクテルが咲きこぼれる様子は、あちらこちらであかりが灯る花の街のよう。
みつばちのお客さまが度々訪れます。
何気ない日々にともる幸せ。平和であることの大切さを感じます。
おれんじ色のあなた
透明な季節は澄み渡り、雨の寒さと恵を知る、それだけ痛みのわかるおれんじ色のあなた
心に灯るおれんじを一本一本分け与えてくれるそのようなあなた
午後のおれんじは夕雨を落とすから
虹のようなほんとうの美しさを知らせてくれるのでしょうか
「梅の花」模様のねこのうららと
菱刺しお耳のうさぎのさららと
透明な季節
緑深まる初夏の風を感じなら
うららかにさららかに
あるがままに生きてゆけたなら
ゆっくりでいいよ
そのままでいいよ
本当に大切なものは目には見えないね
けれども、心の瞳で見つめたものはほんとだよ
おれんじ色のあなたを想って。
お付き合いくださいましてありがとうございます。
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