皆さまは、布を買われた際、見本と実物の色のイメージが、少々異なって感じられた経験はございませんでしょうか。拘りの布を求めて、通信販売で布をご購入される方もいらっしゃるかと思います。「面積効果」を考慮し、よりイメージに近い色の布を購入するポイントについて綴りたいと思います。
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まずは見本帳で確認を
私は、青森県南部地方に伝わる刺し子菱刺しをしており、模様を施す麻やコングレス、仕立ての過程で合わせるものなど、布を使用する機会が多いです。
専門店など、通信販売を利用して布を購入する機会も多いのですが、そのように現物を手に取って確認できないような場合、まずは、見本帳などで布の色合いや風合いをしっかりと確かめることが、イメージ通りの布を選ぶポイントかと思います。
オンラインショップなどでは、画面を通して布の様子を確認することができる場合も多いのですが、実際に手で触れて知ること、感じることが、非常に大切であると思うのです。
さて、ところが、きちんと見本で確認していても、購入した布が届くと、色のイメージがやや異なって感じられることがございます。皆さまの中にも、そのような経験をお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。
これには、色の「面積効果」が関係していることがあるです。
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色の「面積効果」
さて、こちらに、明るい色の大小異なる面積の四角形がございます。
この二つは、同じ色に感じられますか。もしくは、異なる色に感じられますか。
では、こちらはどうでしょう。
左側の小さい面積の四角形と同じ色は、①と②のどちらであると感じられますか。
さて、まず、一つ目の四角形は、どちらも同じ色です。そして、二つ目の、小さい面積の四角形と同じ色は①となります。
いかがでしょうか。異なって感じられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このことには、面積の大小により、色の感じられ方が異なる、「面積効果」という現象が関係しているのです。
「面積効果」とは、明るい色は、面積が大きくなるにつれて、色がより明るく鮮やかに感じられ、暗い色は、面積が大きくなるにつれて、色がより暗く感じられる現象をいいます。
このような現象によって、色が異なって感じられるわけですね。
イメージ通りの色の布を選ぶためには、実際に使用する大きさで確認することが望ましいです。しかし、見本帳などから選ぶ場合など、実際に使用する布面積よりも、小さい面積の布を見て色を選ばなければならないこともございますよね。
そのような場合、明るい色を選ぶ際は、少し暗めと感じられるものを。暗い色を選ぶ際は、少し明るいと感じられるものを選ぶとよいです。
すると、明るい色は面積が大きくなるとより明るく、暗い色は面積が大きくなるとより暗く感じられ、イメージに近い色を選ぶことができるわけです。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
面積の大小による色のイメージの違いを感じることが多かったので、「面積効果」という現象を知った時は深く納得できた気持ちがいたしました。
色の「同化現象」、「対比現象」、そして「面積効果」など、目の錯覚による色の感じ方の違いは実に不思議なものです。

これらの現象を理解し、上手に取り入れてゆくことで、材料選びや作品作りの幅が広がることは素敵なことですよね。
今回ご紹介した「面積効果」を取り入れた色の選び方は、布だけではなく、絨毯やカーテン、外壁塗装の色選びなど、様々な場面で生かすことができるものです。
「面積効果」を用いて、求める色により近い色のイメージを膨らませてみてくださいね。
お付き合いくださいましてありがとうございました。
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